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★'09-'10シーズンにおける判定のガイドライン考察★

ISUから2009-2010シーズン、判定のガイドラインが出ましたね。
ISU Communication #1557
http://isu.sportcentric.net/db//files/serve.php?id=1427

昨シーズンまでの判定のガイドラインです。

ISU Communication #1505 日本語訳http://www.skatingjapan.jp/Jsf/News/comm1505J.pdf

2008-2009 シーズンにおける価値尺度、GOE 採点ガイドラインおよびレベル
http://www.skatingjapan.jp/Jsf/News/comm1494J.pdf

日本語訳が出てからで十分だろうと考えていたのですが…
そうもいきそうもないかな?って事で、準備しました。

【追記】

ISUコミュニケーション第1557 号 日本語版
http://www.skatingjapan.jp/jsf/News/comm1557J.pdf

日本語版が日本スケート連盟からリリースされています。

Errors for which final GOE must be in
the minuses
Reduction/
other
Errors for which final GOE is
not restricted
Reduction/
other
 JUMP ELEMENTS   
SP: One or more rev. less than requiredGOE -3Poor speed, height, distance, air position-1 to -2
SP: Combo consisting of one jump onlyGOE -3Under rotated-1 to -3
SP: No required steps/movements
preceding jump
-3SP: Break between required steps/movements &
jump/only one step/movement preceding jump
-1 to -2
Fall-3Poor take-off-1 to -2
Starting or landing on two feet in a jump-2Loss of flow/rhythm between jumps (combo/seq.)-1 to -2
Stepping out of landing in a jump-2Weak landing (bad pos./wrong edge/scratching etc)-1 to -2
Touch down with both hands in a jump-2Long preparation-1 to -2
2 three turns in between (jump combo)-2Touch down with one hand or free foot-1
Starting from wrong edge in F/Lz (sign “e”)-2 to -3Unclear edge at take-off in F/Lz (sign “!”)-1 to -2
 SPINS   
Fall-3Less than required revolutions-1 to -2
SP: Less than required positions (2 rev. in pos.)-3Poor position(s), slow, traveling-1 to -3
Position in the air not attained (flying spin)-2 to -3Change of foot poorly executed (curve of entry/ exit,
moving to intermediate position etc.)
-1 to -3
Touch down with both hands-2Incorrect take-off or landing in a flying spin-1 to -2
  Touch down with free foot or one hand-1
 STEPS   
Fall-3SP: Incorrect pattern-1 to -2
Less than half of the pattern doing steps/turns-2 to -3Poor quality of steps, turns, positions-1 to -3
  Stumble-1 to -2
  SP: Jumps with more than half rev. included-1
 SPIRALS   
Fall-3Poor positions-1 to -3
Less than half of the pattern in spiral position-2 to -3Stumble-1 to -2
  Poor edge quality-1 to -2

Jump
Elements
1) unexpected / creative / difficult entry
2) clear recognizable steps/free skating movements immediately preceding element
3) varied position in the air / delay in rotation
4) good height and distance
5) good extension on landing / creative exit
6) good flow from entry to exit including jump combinations / sequences
7) effortless throughout
8) element matched to the musical structure
Spins1) good speed or acceleration during spin
2) ability to center a spin quickly
3) balanced rotations in all positions
4) clearly more than required number of revolutions
5) good position(s) (including height and air position in flying spins)
6) creativity and originality
7) good control throughout all phases
8) element matched to the musical structure
Step Sequences1) good energy and execution
2) good speed or acceleration during sequence
3) good clarity and precision
4) deep clean edges (including entry and exit of all turns)
5) good control and commitment of whole body to accuracy of steps
6) creativity and originality
7) effortless throughout
8) element matched to the musical structure
Spiral
Sequences
1) good flow, energy and execution
2) good speed during sequence
3) good body line and full extension
4) minimal delay between spiral positions
5) good flexibility
6) creativity and originality
7) ability to attain positions and variations quickly and effortlessly
8) element matched to the musical structure

 ※ GOE-3と表記されているものに関しては 

  GOEの最終評価を必ずマイナスにしなければならないもの

※ -3と表記されているもののうち
  プラス評価での相殺はあるが、GOEの最終評価は必ずマイナスでなければならないもの

SPでのステップからのジャンプの前に必要なステップやムーブメントが入っていないケース
ジャンプのFallなどが有る。


転倒ジャンプに-3が並ぶという事が無くなるようですね。(驚)

1. Jump elements and Throw jumps

1.1. The sign “<” will not be shown to the Judges. They will evaluate the GOE as they see it (without slow motion).

回転不足"<"の判定が出た場合では、ジャッジには知らされない。GOEの評価はジャッジが見た通り判定する。(スロー再生レビューは無し)

テクニカルオフィシャルからの回転不足"<"マーク(DG)が出た場合は、ジャッジに知らされなくなりました。
ジャッジ達は、判定の如何に関わらず、見たとおりのGOE判定をする事になります。

『ダウングレードの緩和』とされるような記事ですが…
それほど緩和という言葉が当てはまるほどの緩和ではありませんね。

転倒に関するリスクを承知で跳ぶ選手は若干緩和という程度かも?

少しだけ、緩やかな印象という程度でしょう。

緩和とするのなら、DGではなく、50%~70%程度基礎点が減少する改正にするなど
ハッキリと点数の差が表れるほどの事ではないと、緩和とは言えないように思います。
(GOEマイナス範囲固定→GOEプラス評価が出るかもしれない?程度)

横に広がるジャッジでは、判定のバラつきが見られる事になるかも知れません。
目視で、明らかな回転不足だと判断できず、転倒せず、着氷も、それなりに迎えたと判断すれば
加点されるケースもあるという事ですね。

個人的には、苦肉の策?なんて感じもしますが、一般の方々の反応はジャッジの判定にバラつきが出る可能性が高い事から、余計にジャッジの判定に疑問を呈する方が増えそうな気がします。

しかし、導入された事によって、判定の影響で選手の順位が大幅に変るほどの影響は無いかと思われます。
回転不足判定に時々引っかかってしまう選手にとっては、ほんの少し気が楽になる程度ではないかと思います。
(強制的にGOEがマイナスの範囲に収められないだけですが)

転倒などを伴わないDGされたジャンプ(回転不足には見えない程度で着氷に成功したジャンプ)にはDGされた基礎点からGOE評価がマイナスだけではなく、プラス評価されたGOEが出る可能性が出てきた、という程度の認識で大丈夫です。



1.2. When establishing the GOE, poor take-off includes cheating at the take-off and putting the full blade on the ice
in toe jumps. In throw jumps it includes turning of the Man on the ice before throwing the Lady in the air.

踏み切り時のチート(ごまかし)やトウジャンプでのエッジ全体での踏み切りはGOEの評価に含まれる。 

トップ選手達にとっては、あまり関係のない事ですが、心配されるファンの方々も多いでしょうが
トップ選手に踏み切りのチート(ごまかした踏み切り)での判定を受ける選手は、ほとんど居ないと思います。

プレロテなどとNET上を一人歩きしている言葉ですが…
(ファンの中から生まれた言葉なのでしょう)
ISU内の文書にはプレローテーションなる文言はありません。

poor take-off 下手な踏み切り
cheating at the take-off 誤魔化した踏み切り


極解されているかもしれないですが、ジャンプは離氷するまでに若干回転運動をしてしまいます。
横向き程度までは普通です。
かなり、誤解した記述がNET上を一人歩きしています。

おまたぎトウループのように、完全に前向きに踏み切るケースがチートジャンプとされるので(本当にバランスを崩し、取って付けたようなトウループ)
別名トウアクセルと呼ばれる、非常に質の悪い踏み切り。

エッジ全体での踏み切りも同様ですね。(極稀にという程度)
セカンドジャンプの1T・2T・3Tを明らかにまたいで跳ぶ選手は、非常に少ないです。
こういった規定が適用される選手は、初級~2級程度の初歩的レベルの選手の技術に警鐘を与える意味合いです。


日本語版ファーストエイド 【ごまかした踏み切り】

アクセル以外のジャンプが明らかにフォワード踏み切りされた場合には,
ごまかしジャンプとみなされる。


トウ・ループが,踏み切りにおいてのごまかしが一番あるジャンプである。
テクニカル・パネルは,(しばしばコンビネーションやシークェンスにおいて)
踏み切りでのごまかしでダウングレードを行うかの決定する際にリプレイで確認することができるのは通常速度(レギュラー・スピード)のみである。


トウループの前向きの踏み切り(トウアクセル)を行うようなレベルの選手はトップ選手達には居ないですね。
行う事があるとすれば、着氷時などでバランスを崩し、取って付けたような、おまたぎトウループを付けるケースだけでしょう。

★ジャンプの判定で揉めない為に要チェック…★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-61.html

トウジャンプに関するエッジ全体での踏み切りですが…
例えば、フリップなどを試み、トウを衝く訳ですが、トウピックではなく、後方にバランスを崩した感じで、トウピックではなく、エッジ全体で踏み切ってしまい
ループジャンプのように踏み切ってしまう選手が対象?という意味合いです。
トップ選手には、このような初歩的なミスはあまり見受けられないので、滅多に見ることの無いミスジャンプでしょう。

フリップ・ルッツでは見かけることは、ほとんど無いでしょうが…
トウループでは、トウピックではなく、エッジ全体で踏み切ってしまう選手を見ることがあるかもしれないです。

って書いちゃってますが…
映像をよく見ている方なら、この選手のは?ってジャンプがあるのかもしれませんが…(ホントに居るなら、どんなのか見てみたいです)

フリップ・ルッツでは、私には理解出来ない跳び方ですが…
わざとやろうとすれば、(悪い見本のマネ)物凄く怖いと思います。


って…たぶん、こんな無茶な事出来ない。(笑)

トウループでの、非常に質の悪いケースを想定したルールでしょうが
トップ選手に適用されるケースは、極稀でしょう。
着氷時バランスを崩し、コンビネーションを付けねばノーカウントになってしまうような時に、ムリヤリ取って付けるようなケースに限定されるかと思います。

ロングエッジ"e"、アテンション"!"もGOEの判定が変わりました。 

Wrong edgeであってもジャッジには知らされないので・・・
 ( ↑ ↑ ↑ 間違いです)失礼しました。

項目 GOE評価
Starting from wrong edge in F/Lz (sign “e”)  -2 to -3
Unclear edge at take-off in F/Lz (sign “!”)   -1 to -2

少し厳しくなりましたね。(以前は-1 to -3)


GOE基準が6項目から8項目に増え

2つを満たせば+1評価
4つを満たして+2評価、
6つ以上を満たせば+3となっています。

ジャンプだけでなくスピン、スパイラル、ステップ全てに
『音楽とエレメンツの調和』が盛り込まれているので、思い切った特徴ですね。


【ジャンプ】

1 ジャンプの踏み切りが、予期せぬ入り方、独創的・ジャンプの入りの難しさが有る。
2 明確なステップやムーブメントからのジャンプ
3 空中姿勢の変化姿勢。ディレイ(回転を遅らせた)ジャンプ
4 高さと飛距離が共に良い。
5 着氷後の伸びやかな姿勢。創造的な出方や流れ。
6 コンビネーション・シークエンスなども含めジャンプからランディングまでの一連の流れがよい
7 ジャンプを楽に(たやすく)跳んでいる。
8 音楽の構成との調和。

【スピン】

1 回転速度が速い、または回転中に加速する。
2 回転軸を素早く取っている。
3 バランスの良いポジションで、よく回転している。
4 規定された回転数より多く回っている。
5 ポジションが良い(フライングスピンの空中姿勢や高さ)
6 創造性や独創性がある。
7 よくコントロールされたスピンの入りから出までの動作。
8 音楽の構成との調和。

【ステップシークエンス】

1 良いエネルギーや実行力。
2 スピードに乗り、加速している。
3 明快で精度の高いステップを踏んでいる。
4 深くクリーンなエッジを使っている。
5 良くコントロールされた全身、精度の高いステップを踏んでいる。
6 創造性と独創性がある。
7 たやすく楽な印象のステップを踏んでいる。
8 音楽の構成との調和。

【スパイラルシークエンス】

1 流れが良い、エネルギーが十分な実行力。
2 十分なスピード。
3 身体のラインが美しく、手足がよく伸びている。
4 ポジションチェンジがすぐに取れる。
5 優れた柔軟性。
6 創造性と独創性がある。
7 素早いポジション取りや変化に富む姿勢
8 音楽の構成との調和。

私訳には自信が有りません。。。(汗)


音楽の調和との項目が増えた事により、若干プラス評価を受けやすいかも?

高さと飛距離…高さand飛距離では無くなったようですね。

Fenrirさんからの訂正説明文(感謝)

2008-09シーズンのガイドラインは、Communication No.1505によると

great height and/or distance

と記述されていて、

「高さと飛距離の双方か片方が『素晴らしい』」

となっていたのですが、今回のCommunicationで

good height and distance
「高さと飛距離が共に『良い』」

と変わっているので、高さ飛距離の双方を必須とした代わりに、"great"⇒"good"と加点のハードルを少し下げたと解釈しています。




ディレイしたジャンプを跳ぶという事は、プラス評価のひとつですが
ディレイする事によって、回転不足判定のリスクも増すという事になります。
回転しながら降りてくる選手には、リスクは減っていませんね。

6項目から8項目に増えた事により、ポテンシャルの高い選手には、高い加点が得られる可能性が増えましたね。

少し厳しくなった部分も有りますし、昨シーズンと今シーズンでは
それほど大きな影響(競技結果への影響は軽微)は出ないと思います。

ですが…ファンの方々の認識では、プロトコルに記載された、"<""e""!"などの判定が出ているエレメンツを見てジャッジ間のバラつきに関しての反響は予想されます。

【重要】

重要なことは、要素の最終のGOE に、エラーによる引き下げだけではなくプラス面が反映されていることである。
最終のGOE を計算するためには、まず始めに要素のプラス面を考慮し、これがGOE 評価の起点となる。
次に、ジャッジはあり得るエラーのガイドラインに従ってGOE を引き下げ、その結果が最終のGOE となる。



これだけ大変な内容(上記の内容は一部分)を頭の中に入れて、先入観を入れず公平公正に、何十人も判定していくって、本当に大変な事だと思うのですが…

簡単に、ジャッジ達はおかしいと言えちゃうのでしょうかねぇ…
ちゃんと活動している実態を知ってもらえば、迂闊に言えるような事ではないと思うのですが。

 ↓ ↓ ↓ 今一度読んでみて下さいね。

★ジャッジの世界…★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-43.html


TVでの元選手による解説も、話すニュアンスが変わるかもしれませんね。

あくまで、判定に使われる映像とは違う映像で解説してるので、見解と実際の判定にズレが生じる事は仕方が無いのですが…(かなり誤解されやすい点)

今シーズンの部分改正にも、ごまかしや、つたない技術を試み、中途半端な結果を残すよりも
正確で、素晴らしい(質の高い)技術を試み、エラーの認定を受けないような技術を評価していく方向性は変わっていないです。

選手達も、その様な傾向だという事は認識しているので、引き続き、完成度を上げる練習を強化していっているでしょう。

"<""e""!"を受ける事が少なく、高難度エレメンツを高いレベルで実施出来る選手は高評価を受ける事が出来るという点では、挑戦に対するデメリットが少し緩和されたと受け止める事なのでしょうね。

総合的完成度が上がった選手達の中から、高難度ジャンプなどに挑戦していき
より高いレベルを達成した選手が、最高の舞台で高い評価を受けるシーズンとなる予感がします。



最後まで、読んで頂きありがとうございました。
皆様のフィギュアスケートへの理解が広がれば幸いです。。。

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