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★プログラムを作るという事…★

世界中のフィギュアスケートファン及び関係者が注目したであろう選手のひとり浅田真央選手。
その新フリープログラムが先日のジャパンオープンなるオープン大会で、初お披露目となりましたね。。。

出来如何に関して、様々な議論や今後のシーズン展望などの個人的な感想や意見などがNET上を駆け巡っていますが
重厚で荘厳な印象を受ける選曲や、その演技内容には様々な印象があるようです。

あまり個人選手でのプログラムなどで個人的見解を述べるのは本意ではないので選曲しプログラムを作る上での事を書いてみようかと思います。

まず浅田真央選手の今回のジャパンオープンでのFS映像を…

YouTube - 2009 Japan open Mao Asada FS 浅田 真央
http://www.youtube.com/watch?v=teSf5c97pK8



ジャパンオープン 女子 プロトコル
http://www.skatingjapan.jp/InterNational/2009-2010/jo/data0205.pdf

せっかくですので、浅田真央選手の滑走内容について、個人的感想を書いておきます。
他の選手も取り上げればと思いますが、時間のかかる事ですので、ご容赦下さい。

音楽については、賛否両論でそうな難解な曲だと思います。
結局、最終目標である、オリンピックでの成績で評価されちゃうのでしょうけども。

個人的に見た限りでは、佐藤有香さんも言ってるように、あっという間に終わったという印象をエレメンツの出来が悪くとも言わせるという事は凄い事です。

私自身ももう終わり?って思っちゃいました。
エレメンツ成否に賭けているような印象ではなく、通しの中で滑りきろう、ステップなど魅せるために用意したものを、観衆のみなさんに観てもらおうという気持ちが出ているような印象を受けましたね。

毎回驚くのは、彼女の驚異的なスタミナですね。
4分間のプログラムの中を、他の出場選手などと同等以上のスピードで滑り(だがスピード感は感じさせない)

TV映像での印象ですから、違うのかもしれませんが、ロシェット選手と浅田選手はスピードが他の選手よりも乗っているように感じました。

ミスをすれば、スタミナ的にはかなりキツイものになるはずなのに、ヘロヘロにならない。
今回は、プログラム成熟度が進んでいないにもかかわらず、3度ものミスでの事。
そして、普通の選手では、多少休んでいるようなパートもほとんど無く5コンポーネンツを相当意識した、プログラムの繋がり、広がりを感じさせる点は特筆出来ます。

ただ単に滑走しているだけの部分が、まったくと言っていいほど無い。
常に何かしらの振り付けやステップを踏みながら滑っている。
さりげなくやっているところにコリオグラファーのエッセンスが散りばめられてます。


3Aを除いて、そのほとんどがステップからのジャンプかのようにプログラムの中に溶け込ませている。
プレパレーションも短く、直ちに跳ぶところなどが今回のパンクに繋がったのかもしれません。

ジャンプを降りた直後から、すぐに、次のエレメンツへのつなぎに入り、そしてその内容が濃い。

想像ですが…
タラソワコーチは、ジャンプ練習そのものよりも、プログラム全体を滑る事に重点を置いた練習をさせてきたのでしょう。
よって、ジャンプ成否は問題ではない。

呼吸を整えているような所はスピン中やスパイラル姿勢をとっているところだけでしょう。
驚異的なスタミナですよ。

ステップについては、最初の独創的な姿勢でのツイズルをはじめ、上体をよく使い、伸びるステップワークは光ります。
最後のイリュージョンだけが、中途半端になったぐらいです。

ジャンプ構成は入れ替えが出来ますし、調子如何で3+3へのチャレンジや、単独3回転の種類を変更するでしょう。
ルッツは跳ばなかったですが、Wrong edgeの可能性は『!』判定の可能性は有る感じです。(『e』判定までは大丈夫だと思いますが)
競技会が違えばTSの判定の中にはエラー判定を受けてしまう可能性は否定できません。

回転不足判定についても、3Aや3F+3Loなど難しいジャンプにはエラーを受ける可能性があります。

今回のジャンプでは3A以外では本気の踏み切りを感じなかったのでコンビネーションでの3Loはどうなるか判りませんが
筋力強化のトレーニングの成果があれば、判定を受ける確率は下がるかも知れません。
そもそも、コンビネーションの3Loなんて、+3Tに比べたらムチャクチャ難しいのですから。(基礎点差がおかしいぐらい)


難解な音楽、荘厳なテーマを身体で表現するための動きは、相当練習したのでしょう。
よって、エレメンツの成否には大きなこだわりを感じさせなかった。
ちゃんとスピンやステップ、スパイラルではレベルが取れるか?
ジャンプでは、いくつかのミスにしても、気迫を感じなかった事からも、勝負よりもプログラム全体の出来栄えを意識していた印象です。
GPシリーズに入れば、気合いを見せるでしょう。


あくまで個人的な希望的観測ですが…
浅田選手はオリンピック終了後は、もう一度、ジャンプの技術的な指導力のあるコーチに師事する方が、さらなる成長が出来ると思っています。
少女時代の名残りがある、短所部分を矯正し、6種類のジャンプを安定的に跳べるようになれば、もっと凄い選手になるでしょう。
次のレベルアップを選択するのであれば、技術理論のしっかりした方が必要な気がします。

※ タラソワ女史を否定している訳ではありませんので…
タラソワ女史に関しては、あくまでコリオグラファーの性格が強いコーチだと思っています。
スケーティングなどから振り付けに至るまで、表現していくという部分では、物凄く成長させてくれた素晴らしいコーチだと思います。

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今回の競技会は競技という性質として捉えるほどの意味はあまり無く
競技会形式のアイスショー的な性質が強い事を念頭に入れて欲しい。

出場選手は観衆の前でのプログラムへの反応やジャッジングされた内容をチェックし、今後のプログラム内のエレメンツ構成など修正させていく事が目的です。

プログラムを作る事は、選手本人とコーチ及びコリオグラファーとの共同作業になりますが
使用音楽の選曲から始まり、そのイメージと選手自身の個性との融合などから
選手自身の能力の範囲内で最高のパフォーマンスを導き出すためのエレメンツ構成と最後まで滑り切る事の出来る体力との兼ね合いなどや
ミスを引き起こした際のリカバリー構成や、そうなった時の体力消耗度でも最後まで滑り切れる事が重要です。

旧採点システムでは、レベル認定やVB(基礎点)+GoEの事を考える必要がなかった訳ですが
現在ではシステムに対応した上でのエレメンツ構成やGoE評価を含めた上での、戦略的エレメンツ構成が必要になり、必ずしも6種類のジャンプをバランスよく跳べばイイという訳でもなく
ジャンプ・スピン・ステップなどの演技構成の総合力勝負ですので
VB(基礎点)の高く難しい構成にするのか、少しだけ難易度を落とした完成度(成功率)の高い構成にするのかなど、選手のポテンシャルと精神力などとも相談した上で作られます。

そして、実際に滑るのは選手なのですから、音楽の理解力や、表現方法のイメージをコリオグラファーが持つイメージに近づける必要もありますし
選手本人の表現方法の実行力が高ければ、PCSにも大きなプラスとして得点に反映されます。

TES+PCSの両方の高さを目指す事が勝利への近道ともいえますが
TESはエレメンツ成功率でどうにでもなりますが、PCSを伸ばしていくには、プログラムの滑り込みと競技会経験の積み重ねが必要になってきます。

選手のポテンシャルにも練習の時と競技の時では見極めが違います。
例えば、ひとつのジャンプの成功率にしても、練習での単独でのジャンプと、プログラムを通しながらのジャンプでは全然違うものですし
練習での単独ジャンプでは、成功率がいくら高いものであっても、プログラムを通した中での成功でなければ意味がありません。

SP・FSとふたつのプログラムには非常に高度な戦略性が必要です。

世界最高の実力を持つようなトップスケーターばかり見ていたら気がつかない人も多いだろうけど…
どの選手もプログラムのエレメンツ構成は自身の実力で出せる最高難度です。
常に表彰台争いをするほどの実力を持つ選手はミスをしないイメージがありますが
それは、ポテンシャルも高く実行力が高いからです。

練習での通しプログラムでも、毎回ノーミスで滑れるぐらいになっても、本番ではミスが出るものです。。。
大きなプレッシャーのかかる競技会でノーミスで滑る事は奇跡的に近いのです。

競技会場で、あれほど大袈裟に喜んだりするコーチ達は、ノーミスで滑りきることが本当に難しい事を知っているから。。。

安易な気持ちで、選手のプログラム批評など出来ないほど、コーチや選手達はひとつのプログラムにプライドをかけ、最高の滑りを見せる気持ちを持って臨んでいます。

新しいシーズンを迎える前には、多くの選手が新しい靴、ブレードの取り付け具合などでも、エレメンツの成否には物凄く影響が出るものです。

競技会場の違いや競技時間の違いや気温などでも、氷上コンディションは変わりますし、その微妙な違いは選手のジャンプなどに大きく影響します。
スピードの違いや、氷の硬さなどでジャンプの着氷角度も変わるのです。
毎回同じプログラムを滑っているのでも、道具やリンクコンディションの変化に合わせて、微妙な調整できる選手が強いのです。

ミスをするしないの差は、ほんの僅かな差であるのですが、天と地ほどの違いが生まれるのがフィギュアスケートなのです。
この僅かの差から生まれてしまうメンタル面の変化が、エレメンツ全体の成否にも大きく影響します。

調子が悪くても、調子が良くても、このメンタル面とほんのわずかの調整能力で、プログラムの内容が良くも悪くもなるのです。

ファンの方々には、いつも成功するようなジャンプが何故失敗するのか?
何故ミスが連鎖するのか? など、不思議な事も多いでしょうが、ほんのわずかな事だけで、選手のポテンシャルだけでは計れない、競技の時の運や滑走順の巡り合せなどが結果に影響するものなのです。

10回戦えば、7回勝利するようなポテンシャルの高い選手でも、ほんのちょっとした事で勝利を逃してしまうのもフィギュアスケートなのです。

1度や2度の勝ち負けや演技内容などで、判断出来るほど単純なものではないのです。
たった一つのプログラムでも、奥深いものがある事を知ってくださいね。

オリンピックや世界選手権など、人生をも大きく左右するような大きなプレッシャーのかかる競技会では
それまでの生き様やポテンシャルだけでは説明がつかない運命をも引き寄せるほどの、神がかった力のようなものや、臨機応変な精神力をコントロール出来るほどの柔軟なメンタル面を備えていなければならないのだと思います。

ひとりの選手にだけ、過度の期待を寄せてしまい、大騒ぎしてしまう事は、過去にもあった伊藤みどり選手が背負ったものを連想させてしまいます。

日本人選手達は、オリンピックでも複数の選手がメダルに届くほどの実力を持った選手達です。
タイプも個性も違う…エース級と呼べる選手達が複数居る日本人選手達の活躍が楽しみです。


近頃のプログラムは1シーズン限りという感じで、毎年新しいプログラムで臨んでいますが
選手達は、そのシーズンごとに、フィギュアスケート人生をかけて臨んでいるのです。

コリオグラファーにとってプログラムとは自分の作品なのです。
弟子である選手に作品を最高の状態で演技してもらうために、作品の持つイメージを選手に伝えていくのです。

フィギュアスケーターにとってプログラムを表現する事は生き様を表現しているのと同じだと思います。
人生でオリンピックにチャレンジ出来るのは1度か2度ぐらい…
それまでの人生全てをフィギュアスケートに賭けてきた集大成のプログラムは選手達の生き様なのです。


今回は浅田真央選手の事を中心に書いていますが、全ての選手にフィギュアスケーターとしての生き様があります。

この競技の魅力を通じて、各選手達のファンになったはずです。
みなさんがプログラムの中に応援する全ての選手達の人生を感じて、分け隔てなく応援できますように。。。

フィギュアスケート競技は全ての選手が自己最高の滑りを目指して滑るものですから。


最後まで、読んで頂きありがとうございました。
皆様のフィギュアスケートへの理解が広がれば幸いです。。。

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