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★FSのルールに込められた意味を考えていく事★

フィギュアスケート競技…この素晴らしく魅力ある競技なのですが、非日常でもある氷上で技術面と表現面を競う採点競技ゆえに非常に複雑なルールが制定され、簡単には理解しづらい難しいスポーツのひとつです。

拙Blogでは、筆者の競技生活経験を活かして、筆者なりに一生懸命勉強した競技性やルールに込められている競技の理念・性質や技術面・表現面の説明など多岐に渡り書き記してきました。

※ 筆者はジャッジ資格者並びにテクニカル審判資格者ではありませんので、ルールについての記述内容や説明に誤った解釈が含まれている可能性もありますが、極力、ルールに関しては正確に記載するように勤めてます。

非日常空間である氷上の技術や表現面は、未経験の方には、なかなか想像が難しいこともあり、不可思議な面が多いと思ってます。

この競技が生まれたのは100年以上も昔。 どの様な形を経て発展してきたのか、歴史の面からも知っていただく必要もある。
競技としての歴史もルールや運用面など、大幅な変更もあり、暗黒面も存在した。と、疑われても仕方が無い歴史もあります。

ソルトレイクシティオリンピックにおけるフィギュアスケート・スキャンダル

オリンピックだったということで、IOCとISUの二つの巨大組織が絡む事で、より複雑な疑惑に発展した事で正確に覚えている方は少なくなっているのでしょう。

近代スケートでの大きな変化は、長年続けられたコンパルソリー競技部門の廃止。
そして、新採点システムへの移行です。

その新採点システムの移行(試行)期間から約10年の時を迎え、旧採点システムで運用されていたローカル競技が、どんどん新システムへ移行しています。

あまり、一般のファンの方々には周知されていないのですが、日本国内では、ほぼ全てのカテゴリーで新採点システムでの運用が可能になりました。(国内ではノービスクラス以上で運用されていた)
まだ、完全移行とまでは行かないでしょうが、旧6.0システムで運用される競技は今後もっと少なくなっていくでしょう。

ファンの方々が一般的に見ているTVなどで放映される競技会はジュニアやシニアカテゴリーのTOPスケーターレベルです。
そのカテゴリーの数倍の競技人口が居るのが、ノービスクラス以下のカテゴリー。

現実的には、ノービス・ジュニア・シニアのトップレベルだけが知られている。という感じでしょう。
一般的には、全ての競技人口のうちの頂点にいる数%の選手しか知られていなくて、その中での出来事ばかりが話題に上がっているのです。

筆者からお願いしたい事は、競技のルールなどを語る上で、TOPスケーター対象だけではなく、ルールは全てのスケーターのために存在している大前提を忘れてもらいたくないのです。

世の中に存在する一般的にルールといわれるものは、ベース部分は全てを対象にしているということ。
拙Blogはスポーツ系記事ですから、みなさんが慣れ親しんだスポーツのルール部分を思い浮かべてください。

タイム・距離・スコアなど、明確な基準があり、優劣がハッキリ付けやすいルールでも根幹を成す基本ルールは統一されたもので、性別差や年齢差・体格差などを考慮したルールを採用しているケースもありますが、基本部分の根幹は同じです。

競技に設定するルールは、制定者側が改正することによって、その競技性までも変化させる事も可能で、策定したルールの公平性が担保されなければ意味を成さないのですから、慎重に制定しなければなりません。

私もですが、FS関係者も、この新採点システムが完璧だと思っている人はいません。
完璧なルールなど存在せず、少しずつ、変化させながら、将来にわたって公平なシステムであり続けるために改正が行われていくものだと思っています。

ルール改正の歴史は、技術進歩に合わせて行われたり、悪い傾向を修正させていく目的など、その時代ごとに理由(理念)が存在しています。


★フィギュアスケート・ルール関連資料室★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-199.html

上記記事のリンク先はルール関連の資料などへのリンク集ですが、実際の競技が行われるには、競技のレギュレーションも含め、様々なルールが存在し、カテゴリー毎にも細分化されています。

全てのFS関連の規約やルールに精通している方は、ISUや各国連盟の関係者が中心で、一般的には知られていない事が数多くあるでしょう。

個人的には、新システム(IJS)と旧6.0システム(OBO)の、理解が必要と感じます。
新システムを理解する上で、旧システムの理解が無ければ、多くの誤解が生じると思うからです。

6.0システムは6点満点で採点するシステムの総称で、一般的にはOBO(One By One)システムを理解する必要があります。

フィギュアスケートの採点法 Wiki

6.0システムもルール改正が行われ、その形を変化させてきました。

6.0システムではジャッジの点数は6点満点で採点された点数が発表されますが… 
採点の根拠となるプロトコルなどは公表されていませんでした。
順位点の存在もあり、出された点数の総合計で順位が決定されていた訳ではなく、順位点の少ない者が上位に入る仕組みでした。

以下のサイトも旧6.0システムの内容を詳しく説明しています。
ジャッジが記載しているので正確です。
関西学生フィギュアスケーターの世界。
http://www.nona.dti.ne.jp/~t-fujii/figure/

【関西学生フィギュアスケーターの世界】 試合の豆知識
http://www.nona.dti.ne.jp/~t-fujii/figure/knowledge/competition/competop.htm

6.0システム(OBO)を知ることは新システム(IJS)を知る手がかりです。
実際の審判業務に関する記述もありますから、是非、大勢の方に読んで頂きたいと思ってます。

THE 6.0 SYSTEM
http://www.usfigureskating.org/Programs.asp?id=419

技術点(SPではrequired elements、FSではtechnical merit)とPresentationという2つの点数があり、それぞれ6.0点満点で採点する。

プレゼンテーションが、1985年以前に用いられていた芸術点(artistic impression)と混同され、技術点と芸術点と認識されている方は一定割合居るでしょう。

Presentationは現行システムのPCS(プログラム・コンポーネンツ・スコア)の元になっています。

比較的認識に、誤解が多いかもしれないと考えている事は…
旧システム=相対評価 新システム=絶対評価 ではないでしょうか。

英文のスペシャルレギュレーションなど、IJSの説明に、絶対評価に相当する英文の存在を知らないので断定的なことは申せませんが、個人的には、新システムが絶対評価である。と、断定的には言えない性質ではないか。と、思っています。

過去記事でも、言及していますが、絶対評価”的”なシステムである。
同様に、旧システム(OBO)も、相対評価の部分は、順位決定や得点を出す、仕組みのなかに総当り方式リーグ戦に近い方式が相対的であって、第2採点のPresentationは、認定評価(絶対評価)だと感じます。
GoE評価は…Grade of Execution実行の達成度 ですので、 絶対評価の中の達成度評価(到達度評価)に当たります。

GoE評価の+面に関する8項目は、2項目達成していると判断されれば、+1を獲得する。4項目で+2、6項目で+3。
回転不足の有無やWrong Edgeの判定も達成度を審査しているという意味では、認定評価ですね。

Program Components Overview 
http://www.isu.org/vsite/vfile/page/fileurl/0,11040,4844-152077-169293-64120-0-file,00.pdf 
Program Components Explanations 
http://www.isu.org/vsite/vfile/page/fileurl/0,11040,4844-152086-169302-64121-0-file,00.pdf

10exceptionalとても優れている
 9superior優れている
 8very goodとても良い
 7good良い
 6above average中の上
 5average中くらい
 4fair,reasonableまずまず
 3basic基本的
 2weak弱い
 1poor劣っている
<1very poorとても劣っている
Basicから判断していくというようにみれば認定評価とも言えますが、Basicの技術レベルをどれぐらいの滑走をBasicとするのかという観点で見れば相対評価的とも言えるのではないでしょうか。

主だった競技カテゴリーとして ノービス・ジュニア・シニア で、ある一定の範囲内で分布する事が多いですね。

実際に競技を見続け、私の感じるところは、TES(絶対的評価)PCS(絶対評価的な見方をする部分はあるが、相対的評価の部分も存在している) と、いうような見解です。 

絶対評価なのだと決め付けてしまうと、多くの矛盾点が浮かび上がるのだから 
絶対評価的・相対評価的と、をつける事により、より新採点システムの実態を表すのではないかという考えです。

尚、PCSに関しては、私も含め、ジャッジの教育を受けた事がない一般人には感覚的なイメージしかないと推察します。
ルール部分を一生懸命読み解いても、どこがどう評価されているのか、具体的事例などの情報が非常に少ない。
ジャッジではないから、セミナーなどで専門的な教育も受けていない。

ちょっとだけ、わかったような気持ちになっている部分は否めないと思います。
(私自身もPCSを詳しく理解出来ている自信はありません) 自信がないから勉強してるんです。

認定評価 Wiki http://bit.ly/Nu2261
相対評価 Wiki http://bit.ly/NvAtGN 

上記のWikiに書かれている絶対評価や認定評価・相対評価などは、教育を念頭に置かれて書かれているのでスポーツの採点競技の評価について書かれているサイトがあるといいんですけどね。
参考になるサイトがありましたら、コメント欄でお知らせ頂けると助かります。

Constitution & General Regulations 2010
Special Regulations and Technical Rules

上記ISUのレギュレーションなどに説明があるのかなぁ…

絶対評価と相対評価に関する事は、拙Blogでも、何度か個人的な見解ながら記載していますので、よろしければご覧下さい。

★'09-'10シーズンの指針を示した? ロスワールド大会★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-64.html

★ソニア・ビアンケッティ女史の新採点システムへの提言考察…★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-56.html

興味深い記事があります。 
ここは時々紹介するサイトですが…ISUに対し、様々な意見を発信しているようです。
 
Evolution of the 6.0 Judging System - Ice Skating International
http://www.iceskatingintnl.com/archive/rules/newsix.htm

上記記事 Google翻訳
http://bit.ly/NvzsOZ



★PCS 《Skating skills》 解説映像集★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-159.html
★PCS 《Transitions》 解説映像集★(映像翻訳コメント募集中)
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-160.html
★PCS 《Performance/Execution》 解説映像集★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-161.html
★PCS 《Choreography》 解説映像集★(映像翻訳コメント募集中)
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-162.html
★PCS 《Interpretation》 解説映像集★(映像翻訳コメント募集中)
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-163.html  

上記映像群はISUのセミナー映像だと思います。
各項目ごとに、細かく基準ごとの説明が行われています。
この、各項目ごとの基準に対する説明の理解度がなければ、まずPCSの評価をする事は不可能です。

ジャッジ以外の人は、同一選手の過去のスコアや、同じレベルぐらいと判断した他選手のスコアと比較して予想しているに過ぎません。(またこの予想が、たくさんの競技を見ていたら近似値が出る)

ジャッジは、根拠ある説明が出来るPCSの点数を出す。 
(ジャッジが自分の出した点数の説明が出来なければジャッジ失格ですから、彼らの勉強はプライドをかけてます)

ジャッジ級やそのキャリアも影響しますが、国際レベルに到達したジャッジの見識は非常に高いです。
しかし、国籍などの違いや文化の違いなどもありますし、個人的な主観や価値観が入る採点競技ですから、多人数で平均化させる事で公平性を上げてるんです。

新システムは、レフリー1名・テクニカルチーム3名・ジャッジパネル5~9名前後・データ&リプレイオペレーター他数名のチームで分担業務で採点を行っています。

一般人は、実は様々な参考になる滑走を元にした比較による想像点なのだが、高確率でジャッジの点数と変わらぬスコアを予想ではじき出す。 (これはホント凄いと思います。)

一般人予想であっても、ジャッジの点数と変わらぬ予測スコアが当たってた。って事は…
6.0時代でも、○○選手は第1採点は平均で5.8 第2採点は平均で5.9 が結構正確なんです。

たくさんのサンプルを見続けてくれば、小ミス・中ミス・大ミスと、全体の難度などいろいろ勘案したスコアがジャッジの出すスコアと変わらない精度を誇るようになるもんです。

意外と、こんなところから、自分のスケートを見る目は確かだと思い込む人も出てくるから、ルールに対して、『一言物申す!』 的な、発言などをめぐり揉め事も出るのかもしれませんね。

しかし、ジャッジ達が出す最終的なスコアは、国際競技会ならば様々な国を代表したジャッジ達の総意でもあります。
一人の人間が下した判断と、経験や専門的教育を受けた人間達が下した判断を比べるとどうでしょう。

予想、予測が高確率で当たるから正しい。 という訳ではないですよね。
このあたりが、専門家と一般人の違いなのだと思います。

予想・予測が、TES・PCS共に、高確率で、実際の得点と乖離しないほどの能力を身につけることは素晴らしいと思います。
知っている選手の過去のスコアやミスの有無、滑走で感じた良し悪しなど、印象で、予測スコアからプラスマイナスさせて、スコアを算出するのは、選手個人の滑走を相対的に評価してはじき出しているんですよね。

初めて見る選手が出場したら、過去のスコアや滑走を見ていないと、精度ががくんと落ちるはず。
知っているから出来る事と、知らない選手ばかりでも出来るのは違います。

私自身は、技術に関することについてミスの有無や選手のポテンシャル・滑走の質などは、経験的に理解していますが、採点が自分で出来るのか?という部分は出来る自信はまったくありません。

訓練もした事がないものは出来ないのが普通ですよね。 なんちゃって採点ゴッコならTV観ながら遊べますが。

まもなく、ISUをはじめ、各国の連盟もセミナーの時期です。 テクニカルもジャッジも試験勉強で必死です。
専門家集団の集まりですし、先輩後輩などの関係や地域を代表しているという責任もあります。
昇級=給料UPみたいな感じなら、個人の問題ですが、試験の結果次第では、昇級や降格も起こる。プライドがかかってるんですよ。
ジャッジの方々も、競技会並の真剣勝負を繰り広げてるんですよ。。。

一度、ニュートラルな視点で競技会のジャッジングを選手応援の視点だけではなく、審判側の視点でルールを考察するきっかけにして頂ければと思います。


最後まで読んで頂きありがとうございました。 
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