★スケートが上手いって事とは何か?★
今回のテーマは…『フィギュアスケートが上手い!ってどんな事?』 を考察してみましょう。
『そんな事、簡単だよ!オリンピックや世界選手権で優勝した人に決まってる!』
『メジャー国際競技会で常に上位に食い込んで、安定した成績を収めているTOPスケーターだよ!』
『過去に遡って、歴史に名を刻んだ有名TOPスケーターだよ!』
様々な意見があると思います。
中には、『誰も跳べないジャンプを何種類も跳んだ選手に決まってる!』
と、言うような、意見もあるかもしれません。
判断基準をどこに持ってくるかで、印象も変わるからルールによって判断基準を作っているスポーツなんですよね。
競技としての判断基準は、全てのバランスを考慮したルールを元に判断しているので、所謂、総合力の高さや完成度の高さが上位に入る印象になっているかと思います。
フィギュアスケートの競技は、体操競技のような種目別競技がありません。
ジャンプのみやスピンのみなど、個別の技術だけを競う競技が無い。
ジャンプNo1 スピンNo1 ステップNo1 など決められないんですよね。
ここで、コンペティション関係なく、スケートが上手いってどんな事? も、様々な判断基準を作れば可能ですが、スケート経験者が感じる上手さと、ファンの方々が見て感じる上手さには、多少違いがあるのかも知れません。
例えば、過去の名選手の技術は、現代の技術と比べたら、ジャンプなら1回転少ないし、スピンなどもバリエーションも少ない。
●●が出来たから、上手い。 って事では、正確な判断は出来ない。
高難度技術は進化してきたものですから、今と昔を比べる事はナンセンスなんです。
ジャンプに限っていえば、1回転時代も2回転時代も、その時代の最高技術をこなしていた選手は一流の評価を受けていた。
3回転や4回転ジャンプが跳べないから、劣っていた。 と、いう訳ではない。
1回転や2回転時代のジャンプメカニズムの進化があるから、今の3回転や4回転の土台になった。
高度な技術を支える、道具の進化もあったから可能になったんです。
ここまで書いて、閲覧者の方には気づかれているかと思いますが…
フィギュアスケートで変わらないものって何? なんです。。。 そう、スケーティング技術。
スケーティング技術の大半は100年前から、少しずつ小技などが増えてバリエーションも豊富になりましたが基本的なターンやステップ技術は、ほぼ不変の技術です。
誰も成しえなかった超高難度ジャンプを跳んだ&降りた選手は単純に凄い! と思います。
柔軟性が高く、非常に難しいポジションで高速に回転するスピン技術を見ても凄い! と思います。
でも、この技術は、さらに進化して、いつか普通の技術(成功者増)になる可能性がある。
100年前から不変の技術であるターンやステップは、単体では、基本的な技術ですが、集合体になる事によって、難易度が変わり、その組み合わせ次第では、物凄く難しくなります。
スケート経験者などがスケーティングを見て、『上手いなぁ!』と、感じる部分は、スケーティング技術で感じるんです。
高難度ジャンプや高難度スピンなどの技術を見たときは、『凄いなぁ!』って、感じることが多いかな。
では、『上手いなぁ!』と、感じる部分は、どこなのか? となると、エレメンツ毎に違います。
ジャンプやスピンならば、基礎点の高さではなく、GoE評価項目を多く獲得するような部分です。
スピンやステップではレベル評価がありますが、Lv4が上手い。って事ではなく、レベル要件を獲得しただけで、必ずしもLv4=上手い って訳じゃない。
Lv3やLv4は下手だと、簡単に取れる訳ではないですが、上手いから取れる。という訳でもないんです。
あくまで、レベルを上げる要件を獲得できた。という事です。
その要素のGoEが低く評価されていたケースならば、レベルは獲得したが、中身は良くなかった事になります。
TVの解説者やコーチ・現役選手などの、競技経験者が、特定のスケータの技術などについて、賞賛するケースがありますよね。
こういった事の大半は、ジャンプやスピンなどの単体の技術ではなく、主にスケーティングを中心とした、滑走技術を指して賞賛しているケースが多い。
ジャンプやスピンが凄くても、スケーティングが素晴らしくないレベルだったら、あまり褒める事が無いんです。
スケーティング技術の見極めは、凄く難しい。 どちらかといえば感じる部分。
TV映像などを通じて見ても、なかなか、明らかに感じる部分は少ない。
現代の新採点システムでも、旧採点システムでも、不変の技術への評価は最も重要視されていて、特に新採点システムの評価項目にはスケーティング技術を評価する部分はあらゆる項目に入っている。
具体的に数値化出来ない様な技術なので、経験するか、数多くのサンプル・数多くのレベルを見て、見極める能力が必要なんです。
高いスケーティング技術・能力に関しては、ジャンプやスピンなどの体力を必要とする技術に比べ、加齢による劣化は少ない。
30代、40代になったプロスケーターやコーチなどでも、スケーティング技術そのものは、非常に高いレベルを維持している。
スケーティング力はスケーターの全ての源です。
基礎能力の僅かな違いは、レベルが上がるにつれて、大きな差となって現れる。
この事が、新採点システムでの点数の差となって現れる事が多いんです。
世界選手権でも国内選手権でも、グループ毎のスケーティング全般を見れば、書いてある事が理解出来ると思います。
第1、第2グループと最終グループでは、まったく違うという事が。。。
旧採点時代は順位が主に注目されていたのに対し、新採点では競技会の順位だけでなく、そのスコアも比較されるので、世界TOPクラスとの点差で、力量差を過大に感じてしまう人が増えていると思います。
スポーツ性を上げた新採点システムは点数差が出来やすいシステムなんです。
例えば、100点の選手と200点の選手の得点を比べて2倍技量・力量差がある。と感じてしまうのは早計です。
そんな単純な構図で選手同士を比較しても意味がありません。
世界の中心で戦うTOPスケーター同士の力量差は、それほど大きくはありません。
でも、その力量差を見極めていく基準を作り、僅かな差でも、点数として蓄積していった結果、それなりの点数差として表れるだけなのです。
その評価の多くを占めるのがスケーティング能力の評価であり、なかなか見極めが難しい部分であるから、一般的に理解されにくい部分なのだと思います。
GoEの高さや、PCSの各項目で高い評価を受けるのは、その多くがスケーティング力の高さによる評価部分の比率が大きい。
その僅かの違いを感じ取る能力を養っていけば、スケーターの技術進化も見えてくると思います。
個人的な思いとしては、世界中の競技関係者達が高い評価をした選手達の評価を認めてもらえない選手がファンの方々の間で批判されたりする事に心を痛めています。
新採点システムも旧採点システムも、スケーティング技術が高かった選手の中から、さらに高度なエレメンツ実施能力と、高い滑走表現能力を擁した選手が高い評価を受けてきたのですから。
あまり、本音を吐露すると、大変な事になるので、この辺で。。。
【オマケ】
素晴らしいスケーティング力を魅せてくれる映像を…
Kurt Browning - Triptico
http://youtu.be/dPD2I5vD9F4
基本的なコンパルソリー動作やムーブ・ターン・ステップ動作をふんだんに取り入れながら、スケーティングとはこうなんだ!
という、技術を魅せてくれます。 もはや、ジャンプやスピンはスケーティング動作中の飾りでしかない。
しかし、その飾りでさえ、非常に良質な技術を魅せ、お手本とも言える質の高さです。
スケーティング動作の中で評価されるスケーティングスキルの高さ・その質の良さを理解してもらうには、非常に良い映像だと思います。
注目して欲しい部分がもうひとつ…それはトレース痕。
氷上に描かれるトレースが照明に映えますが、正確なスケーティング技術で行われた様々な動作は綺麗なカーブとターンなどを刻んでます。
最後まで、読んで頂きありがとうございました。
お気軽にコメントも、お寄せ下さいね。
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★リンク閉鎖の悲劇を繰り返さぬために…★
『そんな事、簡単だよ!オリンピックや世界選手権で優勝した人に決まってる!』
『メジャー国際競技会で常に上位に食い込んで、安定した成績を収めているTOPスケーターだよ!』
『過去に遡って、歴史に名を刻んだ有名TOPスケーターだよ!』
様々な意見があると思います。
中には、『誰も跳べないジャンプを何種類も跳んだ選手に決まってる!』
と、言うような、意見もあるかもしれません。
判断基準をどこに持ってくるかで、印象も変わるからルールによって判断基準を作っているスポーツなんですよね。
競技としての判断基準は、全てのバランスを考慮したルールを元に判断しているので、所謂、総合力の高さや完成度の高さが上位に入る印象になっているかと思います。
フィギュアスケートの競技は、体操競技のような種目別競技がありません。
ジャンプのみやスピンのみなど、個別の技術だけを競う競技が無い。
ジャンプNo1 スピンNo1 ステップNo1 など決められないんですよね。
ここで、コンペティション関係なく、スケートが上手いってどんな事? も、様々な判断基準を作れば可能ですが、スケート経験者が感じる上手さと、ファンの方々が見て感じる上手さには、多少違いがあるのかも知れません。
例えば、過去の名選手の技術は、現代の技術と比べたら、ジャンプなら1回転少ないし、スピンなどもバリエーションも少ない。
●●が出来たから、上手い。 って事では、正確な判断は出来ない。
高難度技術は進化してきたものですから、今と昔を比べる事はナンセンスなんです。
ジャンプに限っていえば、1回転時代も2回転時代も、その時代の最高技術をこなしていた選手は一流の評価を受けていた。
3回転や4回転ジャンプが跳べないから、劣っていた。 と、いう訳ではない。
1回転や2回転時代のジャンプメカニズムの進化があるから、今の3回転や4回転の土台になった。
高度な技術を支える、道具の進化もあったから可能になったんです。
ここまで書いて、閲覧者の方には気づかれているかと思いますが…
フィギュアスケートで変わらないものって何? なんです。。。 そう、スケーティング技術。
スケーティング技術の大半は100年前から、少しずつ小技などが増えてバリエーションも豊富になりましたが基本的なターンやステップ技術は、ほぼ不変の技術です。
誰も成しえなかった超高難度ジャンプを跳んだ&降りた選手は単純に凄い! と思います。
柔軟性が高く、非常に難しいポジションで高速に回転するスピン技術を見ても凄い! と思います。
でも、この技術は、さらに進化して、いつか普通の技術(成功者増)になる可能性がある。
100年前から不変の技術であるターンやステップは、単体では、基本的な技術ですが、集合体になる事によって、難易度が変わり、その組み合わせ次第では、物凄く難しくなります。
スケート経験者などがスケーティングを見て、『上手いなぁ!』と、感じる部分は、スケーティング技術で感じるんです。
高難度ジャンプや高難度スピンなどの技術を見たときは、『凄いなぁ!』って、感じることが多いかな。
では、『上手いなぁ!』と、感じる部分は、どこなのか? となると、エレメンツ毎に違います。
ジャンプやスピンならば、基礎点の高さではなく、GoE評価項目を多く獲得するような部分です。
スピンやステップではレベル評価がありますが、Lv4が上手い。って事ではなく、レベル要件を獲得しただけで、必ずしもLv4=上手い って訳じゃない。
Lv3やLv4は下手だと、簡単に取れる訳ではないですが、上手いから取れる。という訳でもないんです。
あくまで、レベルを上げる要件を獲得できた。という事です。
その要素のGoEが低く評価されていたケースならば、レベルは獲得したが、中身は良くなかった事になります。
TVの解説者やコーチ・現役選手などの、競技経験者が、特定のスケータの技術などについて、賞賛するケースがありますよね。
こういった事の大半は、ジャンプやスピンなどの単体の技術ではなく、主にスケーティングを中心とした、滑走技術を指して賞賛しているケースが多い。
ジャンプやスピンが凄くても、スケーティングが素晴らしくないレベルだったら、あまり褒める事が無いんです。
スケーティング技術の見極めは、凄く難しい。 どちらかといえば感じる部分。
TV映像などを通じて見ても、なかなか、明らかに感じる部分は少ない。
現代の新採点システムでも、旧採点システムでも、不変の技術への評価は最も重要視されていて、特に新採点システムの評価項目にはスケーティング技術を評価する部分はあらゆる項目に入っている。
具体的に数値化出来ない様な技術なので、経験するか、数多くのサンプル・数多くのレベルを見て、見極める能力が必要なんです。
高いスケーティング技術・能力に関しては、ジャンプやスピンなどの体力を必要とする技術に比べ、加齢による劣化は少ない。
30代、40代になったプロスケーターやコーチなどでも、スケーティング技術そのものは、非常に高いレベルを維持している。
スケーティング力はスケーターの全ての源です。
基礎能力の僅かな違いは、レベルが上がるにつれて、大きな差となって現れる。
この事が、新採点システムでの点数の差となって現れる事が多いんです。
世界選手権でも国内選手権でも、グループ毎のスケーティング全般を見れば、書いてある事が理解出来ると思います。
第1、第2グループと最終グループでは、まったく違うという事が。。。
旧採点時代は順位が主に注目されていたのに対し、新採点では競技会の順位だけでなく、そのスコアも比較されるので、世界TOPクラスとの点差で、力量差を過大に感じてしまう人が増えていると思います。
スポーツ性を上げた新採点システムは点数差が出来やすいシステムなんです。
例えば、100点の選手と200点の選手の得点を比べて2倍技量・力量差がある。と感じてしまうのは早計です。
そんな単純な構図で選手同士を比較しても意味がありません。
世界の中心で戦うTOPスケーター同士の力量差は、それほど大きくはありません。
でも、その力量差を見極めていく基準を作り、僅かな差でも、点数として蓄積していった結果、それなりの点数差として表れるだけなのです。
その評価の多くを占めるのがスケーティング能力の評価であり、なかなか見極めが難しい部分であるから、一般的に理解されにくい部分なのだと思います。
GoEの高さや、PCSの各項目で高い評価を受けるのは、その多くがスケーティング力の高さによる評価部分の比率が大きい。
その僅かの違いを感じ取る能力を養っていけば、スケーターの技術進化も見えてくると思います。
個人的な思いとしては、世界中の競技関係者達が高い評価をした選手達の評価を認めてもらえない選手がファンの方々の間で批判されたりする事に心を痛めています。
新採点システムも旧採点システムも、スケーティング技術が高かった選手の中から、さらに高度なエレメンツ実施能力と、高い滑走表現能力を擁した選手が高い評価を受けてきたのですから。
あまり、本音を吐露すると、大変な事になるので、この辺で。。。
【オマケ】
素晴らしいスケーティング力を魅せてくれる映像を…
Kurt Browning - Triptico
http://youtu.be/dPD2I5vD9F4
基本的なコンパルソリー動作やムーブ・ターン・ステップ動作をふんだんに取り入れながら、スケーティングとはこうなんだ!
という、技術を魅せてくれます。 もはや、ジャンプやスピンはスケーティング動作中の飾りでしかない。
しかし、その飾りでさえ、非常に良質な技術を魅せ、お手本とも言える質の高さです。
スケーティング動作の中で評価されるスケーティングスキルの高さ・その質の良さを理解してもらうには、非常に良い映像だと思います。
注目して欲しい部分がもうひとつ…それはトレース痕。
氷上に描かれるトレースが照明に映えますが、正確なスケーティング技術で行われた様々な動作は綺麗なカーブとターンなどを刻んでます。
スケート技術 Skating Skills
体幹のバランス、膝の使い方、正確な足裁き
リズム、パワー伝達、体幹を使った効率的な推進能力
重心を効率的に使う、無理のない加速
クリーンでコントロールの効いた滑走能力
ディープエッジを使ったコントロールされたステップ
パワー(エネルギー)・スピード・加速の多様性
多様な方向・回転方向・フォア・バックのスケーティング
片足スケーティングの習熟度や両足スケーティングの少なさ
最後まで、読んで頂きありがとうございました。
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