★スケーターズフェイバー Part2★
大変ご無沙汰して申し訳ありません。
長い間…新しい記事を更新していませんでしたが、世界選手権も終わり、シニアのメジャー国際大会は国別対抗戦だけになりましたね。
今回はTwitterで取り上げていたスケーターズフェイバー事例の再考察です。
@Spica_Sk8 twilog
http://twilog.org/Spica_Sk8
**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**
専門用語&略記号が多いので先に…
TO=テクニカルオフィシャルは次の3名の総称
TC(テクニカルコントローラー)+TS(テクニカルスペシャリスト)+ATS(アシスタントテクニカルスペシャリスト)
JP=ジャッジパネル 演技審判の事(GoEやPCSをつける審判)
レフェリー=審判団の責任者
TOとJPでは審判としての業務内容が違いますのでご注意ください。
**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**
このスケーターズフェイバーとは…『全てのハッキリしない場合は選手の利益に…。』
というような、裁判の推定無罪みたいな感じです。(ちょっと違うか)
個人的には…全てのハッキリしないような場合は判定によって選手が不利益を被らないように…。
という風に受け止めています。
ただし、何でも選手の都合の良い判定にするって事ではなく、審判の判断基準を打ち合わせた上で
さらに、その判断基準をもってしても、ハッキリしない場合に適用されるべき性質のルールだと思ってください。
さて…そのスケーターズフェイバーなるものはいつ採用されているのか?
そこがプロトコル上に記載される事もなく、どの大会・どのカテゴリー・どの選手・どの判定…全て不明です。(爆)
そう…推察するしかないんです。 だからそれほど気にする必要は無いんですよね。
基本的に悪いようには判定されていませんから。
でも…こういったあまり知られていない事でも、あの判定はおかしいんではないか?という疑問が出てきます。
という事で、Twitterでツイートした内容を元に、再考察していきましょう。
ちょっと、ルール部分やガイドラインを理解していないと解りにくいかも知れませんが。
Wrong Edge判定や回転不足判定・スピンなどの姿勢要件判断・ステップなどのレベル認定に関する詳細など
微妙な判断が伴うルール運用部分に関して知って欲しい事があります。
テクニカルパネルに入る技術審判達は大会公式練習の時から選手達の練習風景を観察して
先のような微妙な判断が伴うような部分に関して、入念な意識合わせを行っていて
実際、そのような事例が起こった際に、すぐさま適切な判定を下せるようにミーティングを行います。
TOもJPも基本的には、行われた滑走技術などに関して、迷うことなく瞬時に判断をするように教育を受けています。
どんどんPGの滑走は終了するまで終わらないのですから、瞬間的に判断出来なければ審判の資質に関わります。
※ 再確認が必要なケースは除きます。
ココではテクニカル審判の話に戻します。
TOは細部に至るまでどのレベルを基準とするか?という部分を大切にしているのも事実です。
Wrong Edge判定や回転不足判定・スピンなどの姿勢要件判断・ステップなどのレベル認定ケースなど多岐に渡ります。
TOの判定作業は基本的にはJP同様に目視判定が基本です。
目視判定が困難な場合や微妙なケースと判断した場合はレビュー要請がなされます。
そして、その際のレビュー確認は迷ってはいけない。
その際はTSとATSが同時にコール(アウト・セーフ)します。
コールが割れたらTCの出番で、多数決で決定します。
意識合わせレベル付近のケースで採用したり不採用だったり…では公平性が損なわれますから。
だから真剣に即答する事が求められるんです。
基本的にWrong Edge判定は一連の流れとエッジを総合的に判断します。
TV解説者は基本的に実施した要素をコールしますがTOの判定と違う事も起こります。
テクニカルパネルの業務内容は以下のエントリーで…
★フリップとルッツ…見分けとWrong Edgeとは?★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-196.html
テクニカルハンドブックのWrong Edge判定の部分は…
【踏み切り時にきれいで正しいエッジで踏み切らなかった場合には
テクニカル・パネルは"e"(エッジ)マークを使ってジャッジに間違いを示す】
とあり、【きれいで正しい】はテクニカルのきれいで正しい…とは、どういったところにボーダーを設けるかの解釈が入ります。
テクニカル審判が【きれいで正しいエッジで踏み切っているか…】の技術判断の前に【何を試みたか?】の判断が入る。
そう…フリップを試みたのか?ルッツを試みたのか?の判断は…
入りのプレパレーション~踏み切りまでの姿勢やエッジ、動作などを総合的に判断しています。
**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**
少し前置きが長くなりましたが…
一番わかりやすいのは実例を通して見る方が遙かに解りやすいので…
BlogやTwitterでお世話になっているghotiさんから参考資料としてお借りします。
★スケーターズフェイバー?★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-117.html
今回の実例ではB・ジュベール選手に協力してもらいます。
2013世界選手権リザルト
http://www.isuresults.com/results/wc2013/
男子SPプロトコルPDF http://www.isuresults.com/results/wc2013/wc2013_Men_SP_Scores.pdf
男子FSプロトコルPDF http://www.isuresults.com/results/wc2013/wc2013_Men_FS_Scores.pdf
https://dl.dropbox.com/u/410340/figureskate2/joubel_Lz_2013WC/joubel_Lz_2013WC_xvid.html ↑ ↑ ↑ 上記リンクに映像があります。 ↑ ↑ ↑
B・ジュベール選手のSPでは3Lzとして認定されています。
入り方はモーホークからのフリップに似ていますが、ターンがチョクトーなんですよね。
この際、本田武史さんの解説ではフリップとコールしましたが…スロー確認時に訂正されました。
元々ジュベール選手は本人も公言していますがリッパーなんですけどね。
SPのケースでは選手が試みようとした要素の意図と、TV解説者のコールと実際のTO判定では違う例となりました。
入りのパターンを一般的に当てはめればSPの3Lzは3F(e)が自然だと思います。
(でもレビューを見ればターン直後、一度もインになっていない=チョクトー)とレビューで確認したと推察できます。
問題はFSのケースです。
B・ジュベール選手FS 要素 4T 3S(4S予定) 3A 4T+1T(3T予定) 3F+2T 3Lz 3S+2T 3F* ← * 印はNV
【テクニカルパネル ハンドブック】
http://www.jsfresults.com/data/fs/pdfs/comm/2012-13hb_single_j_ver2.pdf
(簡略ルール) トリプルorクワドは2種類のみを繰り返す事が出来る。※4T/3S/3F
同じ種類のトリプルまたはクワドは2度まで。
B・ジュベール選手FS 予定要素構成の推察
4T 4S 3A 4T+2T(or3T) 3F+3T 3Lz 3S+2T+2T 3F ならば問題無い。
4S予定が3Sとなった事で最後の3Fを3Loか2Aもしくはダブル全般に変更する必要があった。
スケーターズフェイバー採用?はWrong Edge判定と関連します。
SPはチョクトー(モホークに似ている)のターン直後に踏み切ったと判断され3Lzの判定に。(直線的な入り+アウトエッジ)
※ジュベール選手は通称リップ気味に踏み切ります。
FSの3F+2Tはモホーク(判定的にチョクトー)からやや軌道が回転方向カーブを描きながら、ややアウトサイドエッジで踏み切ってます。
SPとほとんど同じような踏み切り方なのに何故?ですよね。
当初TOは3Fか?3Lzか?でレビュー要請をかけているはずです。
そして次のジャンプが3Lzでした。
4:20~確認してね→ http://youtu.be/6JVVvZproSs
3Lzとして正しく踏み切ってます。 そうここで実際に行ったジャンプを思い出してください。
ジュベール選手の試みた要素
→ ※4T 3S 3A 4T+1T ※3F+2T ※3Lz 3S+2T ※3F* ※はレビューされたと推察
レビューで3F(e)+2TではなくSPと同じように3Lz+2T判定だったら?
次の3Lzで2種類目の繰り返しになりますね。更に次の3Sで3種類目です。
レビューした3F+2Tを3Lz+2Tと判定すると3S+2Tがキックアウト
3F(e)+2Tと判断すると3S+2Tがセーフとなり3Fがキックアウト(最後の3Fもe判定レベル)
そこで3Fを全てLz認定しちゃうとルッツが3度目の繰り返しになります。
結局3F(e)+2Tにする事で3S+2Tの得点と3F(e)の得点で少ない方がキックアウトされる方が選手にとっての利益ですから…
3Lzと判定するともっと不利益になるって事がお判りになったでしょうか。
ただ…ここまで書いてあれですが。
スケーターズフェイバー事例だと個人的に考えている事ですから、実際TOがそのように考えてジャンプの判定をしたかどうかの真偽は不明です。
でも似たようなケースでも、そう考えないと整合性がつかない事が多いので、説明は合っていると思います。
B・ジュベール選手にはBlogでは4Tの回転不足事例の技術説明などの題材にもなってもらってるし
今回のスケーターズフェイバー+Wrong Edge判定+通称ザヤック(ジャンプの繰り返し)ルールなど身体を張った滑走にも感謝の念を贈らねば。(ちょと違うか)
もちろん…そういうのが一切無い素晴らしい滑走を待ち望んでます。
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もうひとつ…寄せられたBlogコメント事例を紹介します。
トマシュ・ベルネルFS ネーベルホルン杯
http://youtu.be/JtGiRaZDKdg
プロトコルPDF http://deu-event.de/results/Nebelhorn_2012/NT2012_Men_FS_Scores.pdf
チョクトー直後に3Lz+3T 同じ入りで3Lz 似たような感じで3F(e)判定
映像では3Lz+3Tと同じ入りで3Lzも跳んでいます。
そして、ほぼ同じように見える3FがWrong Edge判定。
もし、この3Fを3Lzと判定してしまえば同じ種類の3回転ジャンプを3度試みた事になり3Fの要素BOXそのものがキックアウトになります。
ベルネル選手FSのルッツ/フリップ評価比較動画(Nebelhorn/TEB/WC)
http://youtu.be/fGZfy-jkWhQ
男子FSプロトコルPDF http://www.isuresults.com/results/wc2013/wc2013_Men_FS_Scores.pdf
普通に見れば競技経験者でもテクニカル審判でも初見判断はフリップのエラーなんです。
今回のWCのTOはそう取った。
ただ、もし2Fが3F(e)だったら、どれかひとつはルッツの判定にしたかもしれないんです。(理由は逆のケースでネーベルホルン杯と同じ)
要は不明瞭なエッジで跳ぶと損なんだよ…。ですね。
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今回のエントリーで、コメント等でご協力頂いた Mauriceさん ghotiさん ありがとうございました。
MauriceさんのBlog 【Collection】 http://blog.fc2.com/?jump=http://billystevie.blog60.fc2.com/
ghotiさんのBlog 【感じるままに】 http://blog.fc2.com/?jump=http://nahte.blog132.fc2.com/
ジャンプ事例が一番発見しやすいので、今回のスケーターズフェイバー?記事はここで終わりますが…
スピンのレベル認定などやステップのレベル認定でも、明らかでない場合は選手の利益に…。事例は数多く存在すると思います。
★Figure Skating Guideline★ エントリー 一覧
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-109.html
最後まで、読んで頂きありがとうございました。
長い間…新しい記事を更新していませんでしたが、世界選手権も終わり、シニアのメジャー国際大会は国別対抗戦だけになりましたね。
今回はTwitterで取り上げていたスケーターズフェイバー事例の再考察です。
@Spica_Sk8 twilog
http://twilog.org/Spica_Sk8
**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**
専門用語&略記号が多いので先に…
TO=テクニカルオフィシャルは次の3名の総称
TC(テクニカルコントローラー)+TS(テクニカルスペシャリスト)+ATS(アシスタントテクニカルスペシャリスト)
JP=ジャッジパネル 演技審判の事(GoEやPCSをつける審判)
レフェリー=審判団の責任者
TOとJPでは審判としての業務内容が違いますのでご注意ください。
**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**
このスケーターズフェイバーとは…『全てのハッキリしない場合は選手の利益に…。』
というような、裁判の推定無罪みたいな感じです。(ちょっと違うか)
個人的には…全てのハッキリしないような場合は判定によって選手が不利益を被らないように…。
という風に受け止めています。
ただし、何でも選手の都合の良い判定にするって事ではなく、審判の判断基準を打ち合わせた上で
さらに、その判断基準をもってしても、ハッキリしない場合に適用されるべき性質のルールだと思ってください。
さて…そのスケーターズフェイバーなるものはいつ採用されているのか?
そこがプロトコル上に記載される事もなく、どの大会・どのカテゴリー・どの選手・どの判定…全て不明です。(爆)
そう…推察するしかないんです。 だからそれほど気にする必要は無いんですよね。
基本的に悪いようには判定されていませんから。
でも…こういったあまり知られていない事でも、あの判定はおかしいんではないか?という疑問が出てきます。
という事で、Twitterでツイートした内容を元に、再考察していきましょう。
ちょっと、ルール部分やガイドラインを理解していないと解りにくいかも知れませんが。
Wrong Edge判定や回転不足判定・スピンなどの姿勢要件判断・ステップなどのレベル認定に関する詳細など
微妙な判断が伴うルール運用部分に関して知って欲しい事があります。
テクニカルパネルに入る技術審判達は大会公式練習の時から選手達の練習風景を観察して
先のような微妙な判断が伴うような部分に関して、入念な意識合わせを行っていて
実際、そのような事例が起こった際に、すぐさま適切な判定を下せるようにミーティングを行います。
TOもJPも基本的には、行われた滑走技術などに関して、迷うことなく瞬時に判断をするように教育を受けています。
どんどんPGの滑走は終了するまで終わらないのですから、瞬間的に判断出来なければ審判の資質に関わります。
※ 再確認が必要なケースは除きます。
ココではテクニカル審判の話に戻します。
TOは細部に至るまでどのレベルを基準とするか?という部分を大切にしているのも事実です。
Wrong Edge判定や回転不足判定・スピンなどの姿勢要件判断・ステップなどのレベル認定ケースなど多岐に渡ります。
TOの判定作業は基本的にはJP同様に目視判定が基本です。
目視判定が困難な場合や微妙なケースと判断した場合はレビュー要請がなされます。
そして、その際のレビュー確認は迷ってはいけない。
その際はTSとATSが同時にコール(アウト・セーフ)します。
コールが割れたらTCの出番で、多数決で決定します。
意識合わせレベル付近のケースで採用したり不採用だったり…では公平性が損なわれますから。
だから真剣に即答する事が求められるんです。
基本的にWrong Edge判定は一連の流れとエッジを総合的に判断します。
TV解説者は基本的に実施した要素をコールしますがTOの判定と違う事も起こります。
テクニカルパネルの業務内容は以下のエントリーで…
★フリップとルッツ…見分けとWrong Edgeとは?★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-196.html
テクニカルハンドブックのWrong Edge判定の部分は…
【踏み切り時にきれいで正しいエッジで踏み切らなかった場合には
テクニカル・パネルは"e"(エッジ)マークを使ってジャッジに間違いを示す】
とあり、【きれいで正しい】はテクニカルのきれいで正しい…とは、どういったところにボーダーを設けるかの解釈が入ります。
テクニカル審判が【きれいで正しいエッジで踏み切っているか…】の技術判断の前に【何を試みたか?】の判断が入る。
そう…フリップを試みたのか?ルッツを試みたのか?の判断は…
入りのプレパレーション~踏み切りまでの姿勢やエッジ、動作などを総合的に判断しています。
**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**
少し前置きが長くなりましたが…
一番わかりやすいのは実例を通して見る方が遙かに解りやすいので…
BlogやTwitterでお世話になっているghotiさんから参考資料としてお借りします。
★スケーターズフェイバー?★
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-117.html
今回の実例ではB・ジュベール選手に協力してもらいます。
2013世界選手権リザルト
http://www.isuresults.com/results/wc2013/
男子SPプロトコルPDF http://www.isuresults.com/results/wc2013/wc2013_Men_SP_Scores.pdf
男子FSプロトコルPDF http://www.isuresults.com/results/wc2013/wc2013_Men_FS_Scores.pdf
https://dl.dropbox.com/u/410340/figureskate2/joubel_Lz_2013WC/joubel_Lz_2013WC_xvid.html ↑ ↑ ↑ 上記リンクに映像があります。 ↑ ↑ ↑
B・ジュベール選手のSPでは3Lzとして認定されています。
入り方はモーホークからのフリップに似ていますが、ターンがチョクトーなんですよね。
この際、本田武史さんの解説ではフリップとコールしましたが…スロー確認時に訂正されました。
元々ジュベール選手は本人も公言していますがリッパーなんですけどね。
SPのケースでは選手が試みようとした要素の意図と、TV解説者のコールと実際のTO判定では違う例となりました。
入りのパターンを一般的に当てはめればSPの3Lzは3F(e)が自然だと思います。
(でもレビューを見ればターン直後、一度もインになっていない=チョクトー)とレビューで確認したと推察できます。
問題はFSのケースです。
B・ジュベール選手FS 要素 4T 3S(4S予定) 3A 4T+1T(3T予定) 3F+2T 3Lz 3S+2T 3F* ← * 印はNV
【テクニカルパネル ハンドブック】
http://www.jsfresults.com/data/fs/pdfs/comm/2012-13hb_single_j_ver2.pdf
(簡略ルール) トリプルorクワドは2種類のみを繰り返す事が出来る。※4T/3S/3F
同じ種類のトリプルまたはクワドは2度まで。
B・ジュベール選手FS 予定要素構成の推察
4T 4S 3A 4T+2T(or3T) 3F+3T 3Lz 3S+2T+2T 3F ならば問題無い。
4S予定が3Sとなった事で最後の3Fを3Loか2Aもしくはダブル全般に変更する必要があった。
スケーターズフェイバー採用?はWrong Edge判定と関連します。
SPはチョクトー(モホークに似ている)のターン直後に踏み切ったと判断され3Lzの判定に。(直線的な入り+アウトエッジ)
※ジュベール選手は通称リップ気味に踏み切ります。
FSの3F+2Tはモホーク(判定的にチョクトー)からやや軌道が回転方向カーブを描きながら、ややアウトサイドエッジで踏み切ってます。
SPとほとんど同じような踏み切り方なのに何故?ですよね。
当初TOは3Fか?3Lzか?でレビュー要請をかけているはずです。
そして次のジャンプが3Lzでした。
4:20~確認してね→ http://youtu.be/6JVVvZproSs
3Lzとして正しく踏み切ってます。 そうここで実際に行ったジャンプを思い出してください。
ジュベール選手の試みた要素
→ ※4T 3S 3A 4T+1T ※3F+2T ※3Lz 3S+2T ※3F* ※はレビューされたと推察
レビューで3F(e)+2TではなくSPと同じように3Lz+2T判定だったら?
次の3Lzで2種類目の繰り返しになりますね。更に次の3Sで3種類目です。
レビューした3F+2Tを3Lz+2Tと判定すると3S+2Tがキックアウト
3F(e)+2Tと判断すると3S+2Tがセーフとなり3Fがキックアウト(最後の3Fもe判定レベル)
そこで3Fを全てLz認定しちゃうとルッツが3度目の繰り返しになります。
結局3F(e)+2Tにする事で3S+2Tの得点と3F(e)の得点で少ない方がキックアウトされる方が選手にとっての利益ですから…
3Lzと判定するともっと不利益になるって事がお判りになったでしょうか。
ただ…ここまで書いてあれですが。
スケーターズフェイバー事例だと個人的に考えている事ですから、実際TOがそのように考えてジャンプの判定をしたかどうかの真偽は不明です。
でも似たようなケースでも、そう考えないと整合性がつかない事が多いので、説明は合っていると思います。
B・ジュベール選手にはBlogでは4Tの回転不足事例の技術説明などの題材にもなってもらってるし
今回のスケーターズフェイバー+Wrong Edge判定+通称ザヤック(ジャンプの繰り返し)ルールなど身体を張った滑走にも感謝の念を贈らねば。(ちょと違うか)
もちろん…そういうのが一切無い素晴らしい滑走を待ち望んでます。
**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**
もうひとつ…寄せられたBlogコメント事例を紹介します。
トマシュ・ベルネルFS ネーベルホルン杯
http://youtu.be/JtGiRaZDKdg
プロトコルPDF http://deu-event.de/results/Nebelhorn_2012/NT2012_Men_FS_Scores.pdf
チョクトー直後に3Lz+3T 同じ入りで3Lz 似たような感じで3F(e)判定
映像では3Lz+3Tと同じ入りで3Lzも跳んでいます。
そして、ほぼ同じように見える3FがWrong Edge判定。
もし、この3Fを3Lzと判定してしまえば同じ種類の3回転ジャンプを3度試みた事になり3Fの要素BOXそのものがキックアウトになります。
ベルネル選手FSのルッツ/フリップ評価比較動画(Nebelhorn/TEB/WC)
http://youtu.be/fGZfy-jkWhQ
男子FSプロトコルPDF http://www.isuresults.com/results/wc2013/wc2013_Men_FS_Scores.pdf
普通に見れば競技経験者でもテクニカル審判でも初見判断はフリップのエラーなんです。
今回のWCのTOはそう取った。
ただ、もし2Fが3F(e)だったら、どれかひとつはルッツの判定にしたかもしれないんです。(理由は逆のケースでネーベルホルン杯と同じ)
要は不明瞭なエッジで跳ぶと損なんだよ…。ですね。
**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**
今回のエントリーで、コメント等でご協力頂いた Mauriceさん ghotiさん ありがとうございました。
MauriceさんのBlog 【Collection】 http://blog.fc2.com/?jump=http://billystevie.blog60.fc2.com/
ghotiさんのBlog 【感じるままに】 http://blog.fc2.com/?jump=http://nahte.blog132.fc2.com/
ジャンプ事例が一番発見しやすいので、今回のスケーターズフェイバー?記事はここで終わりますが…
スピンのレベル認定などやステップのレベル認定でも、明らかでない場合は選手の利益に…。事例は数多く存在すると思います。
★Figure Skating Guideline★ エントリー 一覧
http://openaxel.blog14.fc2.com/blog-entry-109.html
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最後まで、読んで頂きありがとうございました。
お気軽にコメントも、お寄せ下さいね。
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この記事へのコメント

こんばんは。
> ジュベールがFSでキックアウトされた件。
> ユーロから構成を変えてきたので混乱が生じたのかと演技を見終わった直後は思っておりました。
ジュベール選手もシミュレーションはしていたとは思うんですけど。
混乱しちゃったのかもしれませんね。
クワドのどちらかがトリプルになった場合は、3Loか2Aを跳ぶ。と決めておけばよかったのでしょうけど。
クワドがトリプルになったケースは冷静にならなければならないですけど…
PGに夢中で、次の要素をこなしていく…となっても仕方がないと思います。
> sakuraさんのツイートの見解を読んでSPでの本田さんの解説を思い出し、その後じわじわとトマシュのスケアメのケースと結び付いてきて・・・
> ジャンプ前の入り方や曖昧なエッジが引き起こした混乱ばかりに意識が向いていたのですがスケーターズフェイバーと紐づけることが出来ました。
> 本当にスッキリしました。
> 詳細な解説ありがとうございました!
質問がきっかけとはいえ、根気よく探さないと見つからないケースが2例も見つかったのは収穫でした。
ルールの難しい部分ですが…せめてフェイバーケースは何らかの印でもプロトコルに入れてくれたら理解も深まるのにね。(^_^;)
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こんばんは - Maurice - 2013年03月20日 19:40:10[ 再編集・削除 ]
ユーロから構成を変えてきたので混乱が生じたのかと演技を見終わった直後は思っておりました。
sakuraさんのツイートの見解を読んでSPでの本田さんの解説を思い出し、その後じわじわとトマシュのスケアメのケースと結び付いてきて・・・
ジャンプ前の入り方や曖昧なエッジが引き起こした混乱ばかりに意識が向いていたのですがスケーターズフェイバーと紐づけることが出来ました。
本当にスッキリしました。
詳細な解説ありがとうございました!